*「第11回 防災まちづくり大賞 事例集」(総務省消防庁刊)に収録された内容をそのまま転載させていただきました。
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長尾防災福祉コミュニティ(兵庫県神戸市北区長尾町)
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▲ バケツリレー
▲ 地元企業との合同訓練
▲ 長尾どっとねっと
▲ 心肺蘇生訓練
▲ 消防署での検討会
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事例の内容
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<経緯>
神戸市北区長尾町は、神戸市の最北部に位置する小高い丘に囲まれた農村地域で、住民の結束の固い地域である。そんな町に、北消防団長尾支団第一分団が平成3年広報紙「とんぼ 〜わがまち・もっとコミュニケーション〜」で、インターネットサイトを構築した。平成11年に防災福祉コミュニティ結成を機に、日常生活の安全安心に係わる防災・防犯、救急医療、災害・防災指令情報など市民生活に欠くことのできない地域情報を、長尾町防災三団体(消防団・婦人消防・防災福祉コミュニティ)が、共同運営することにした。防災情報の発信の拡大に併せて、地域情報の提供や住民同士の情報交換、交流の場に発展させた。田園地域に根付いた、温もりと安心の『まちの防災情報』を発信続けている。
<内容>
1.“防災情報”ITの息吹
北消防団長尾支団第一分団が、平成3年にITを活用した分団の情報紙「とんぼ」で長尾町(当時13.35平方キロメートル、469世帯2,147人)に消防団・防災情報を発信した。この試みは、防災情報「IT時代」の先駆けのひとつになった。
2.防災情報の無限化
地域の交通の要衝地(中国道・北六甲有料道など)に沿った新しい街の建設に伴い、豪雨などの自然災害や都市化に伴う複雑多岐に渡る災害の発生が危惧される。その中、阪神淡路大震災で得た防災活動の教訓。地域住民が共同で災害に対処する各種情報、災害防御技術、市民救命技術取得など限りなく災害情報の要求が拡大してきた。
3.防災情報の共同化「まちの防災団体の結束」
増大する防災情報・防御技術、地域に必要な「情報」を配信して、活用する。平成11年地域に根ざした防災三団体それぞれの情報を共同化することにより地域に「迅速に・輻輳することなく・正確に」発信すると共に、防災活動が円滑にできるようにした。共同化で多様化する防災ニーズに応えていく叡智となった。
4.住民が必要とする防災情報を「わかりやすく発信」
長尾どっとねっとwww.e−nagao.net」
わかりやすいホームページ(HP)。最重要な防災情報・救急案内・防犯ネットは中央に、自然災害=神戸市降雨情報・神戸市防災情報・地震情報はHPの右肩に。右側に防災関係が並んでいる。地域の活動はHPの左側で見ることが出来る。人間工学、行動科学に併せた編集である。
5.各団体の活動の実践と支援
(1)北消防団長尾支団・長尾防災福祉コミュニテイ・長尾婦人消防隊合同夏期訓練などの消防・防災の総合訓練のHPでの案内と実施
(2)神戸市北区防災訓練のHPでの案内と参加
(3)市民救命士資格取得のHPでの案内と研修
(4)市民防災り一ダーのHPでの案内と研修
などの研修会の案内と研修の指導を通して、地域防災に貢献している。
6.安全安心情報は、地域のこころのこもった生活情報から生まれる。
「災害はわすれたころにやってくる。」毎日見てもらえることが必要である。普段、地域の皆様の様子(私もネットの中の一員)を伝えることが、“いざ災害だ”“このHPだ”“私は今どんな防災行動をすべきが直ぐ解る。地域の防災活動が円滑に行われる所以である。
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苦労した点
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地域に根ざしたコミュニケーションサイトである。発信側と受信側共に周知のなか、地域住民が常時関心を持っているので、取材・行事の案内、各種訓練の実施と指導に緊張感を持って迅速に対応していくこと。
メリハリ・バランスの取れた、(1)防災情報 (2)消防訓練 (3)地域の暮らしの情報など長尾町の防災三団体が文書・写真で長期間に渡り「最新情報」をホームページで継続すること。
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特 徴
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長尾どっとねっとの活動は、防災情報、長尾町の住民の情報交換・交流の場であることから、
(1)「防災情報と地域の生活情報」発信の速報性
(2)情報交換の他に、消防・防災訓練の実施
(3)町民全員が参加する「町民運動会」等をHPで案内すると共に訓練を取り入れている。
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その他
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団体概要
神戸市北区長尾町内の、防災三団体(神戸市北消防団長尾支団・長尾婦人消防隊・長尾防災福祉コミュニティ)が共同して開設・運営する長尾の防災コミュニケーションサイト
(1)防災三団体の活動、防災情報の収集発信
(2)地域住民同士の情報交換、交流の場
(3)消防訓練、救急講習、防災・防犯等生活安全に係る実践活動
実施期間
平成11年〜
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